アルコール
「SARPP」について
掲載日:2019年11月14日
投稿者:神奈川県立精神医療センター
当センターでは様々な依存症の治療プログラムを実施しています。プログラムと言う言葉を耳にする機会は多いと思いますが、実際にどの様な内容であるか疑問に感じている方も多いのではないでしょうか?
今回は当センターの外来と入院で行っているアルコール依存症治療プログラム“SARPP”の内容をご紹介します。SARPP(サープ)はSerigaya Alcohol Relapse Prevention Programの頭文字を取り名付けられました。
この治療プログラムでは、アルコール依存症についての知識、断酒を継続するための生活の仕方をグループで学習して行きます。プログラムは週に1回、入院は90分7回1クール、外来は120分12回1クールで行っています。入院はワークブック7回、外来ではワークブック7回にミーティング5回が加わります。外来プログラムにてミーティングを行い、プログラム回数を増やす事でプログラムやミーティングへの参加が習慣化し、治療の継続性を高める効果もあります。治療プログラムでは常に参加者を歓迎し継続的に参加しやすい雰囲気を作り、参加者は飲酒した事を隠さず素直な気持ちを話し、同じ問題を抱えるメンバーの話を聞くことで安心感を得ることが出来ます。また、基本的に継続参加は2クールまでとし、このプログラムが自助グループや地域への架け橋になればと考えています。
私たち精神医療センター依存症治療チームは飲酒や再飲酒を非難するのではなく、スリップも回復のチャンスと捉え治療や支援を行っています。
〈ワークブック項目の紹介〉
- なぜアルコールをやめなきゃいけないの?
- 引き金と欲求
- アルコールのある生活からの回復段階
- あなたのまわりにある引き金について
- あなたのなかにある引き金について
- 回復のために
- 再発の正当化