依存症コラム 依存症について知ろう「回復の広場」

依存症全般

プロセス依存症の中間施設としての役割

掲載日:2024年07月10日
投稿者:一般社団法人ブルースター 横浜

 2018年11月に神奈川県横浜市金沢区にプロセス依存症専門の中間施設として開所させていただきました。ギャンブルやゲーム、買物、インターネットに依存し、どうにもならなくなった方から相談があり現在約15名のクライアントが利用しています。プログラムを行う中で重視していることは「個別化」です。繋がり始めたクライアントと修了間近のクライアントではモチベーションが違うので同じプログラムは行わずに第一段階から第五段階に分けてプログラムを行っています。
 段階でのテーマは第一段階「生活習慣の見直し・施設での集団生活に慣れる」・第二段階「取り組む問題は自分が依存症という点の確認」・第三段階「自分にとって良いパターン・改善するパターンを知る、健康的な考え方とは何かを知り、その方向へ行動修正する練習を重ねる」・第四段階「人間関係の再構築と社会復帰への準備段階」・第五段階「プログラムを使い、自立への具体的行動」です。これらを経て約2年でアディクションを使用せずに自立が出来るようサポートしています。新しいクライアントが施設を利用開始した時は依存症について知る事よりもまず自身の生活習慣の見直しや自己肯定感の低さなどからくる人を頼れない部分の練習を行うことが再使用の抑止に繋がると考えています。
 その中で、プロセス依存症に陥った人の多くが抱えている問題は「生きづらさ」だと感じています。「ギャンブルやゲーム、買物、インターネットが問題」と思う人は裏を返せば「アディクション以外は出来る」「自分には問題無い」と思いたい傾向が強く途中で退所することもあります。当法人ではクライアントに「アディクションが問題では無い」と座学で教え、大切なのは解決策を自分で決めたがる部分いわば「自分本位な信じ方」がアディクションをする引き金になり同じ問題を繰り返しているという事を伝えています。
 座学プログラムで、アディクションをしていた時期を思い出し肯定的な感情や否定的な感情について書いてもらうと楽観的な人、自分より他人の評価に恐れている人など感情のバランスが極端な人が多いと感じます。自分でその感情のアンバランスを知る事でアディクションを使用しない生き方に納得する、そのキッカケを掴んで貰うための支援をしていくのが当法人の役割であると思っています。
 プロセス依存症で御悩みの方のご相談をお待ちしています。

一般社団法人ブルースター 横浜 氏

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