依存症コラム 依存症について知ろう「回復の広場」

依存症全般

依存症病棟の看護師の役割は? ―いつでもそばにいる相談相手―

掲載日:2025年11月25日
投稿者:神奈川県立精神医療センター

神奈川県立精神医療センター 2B病棟看護科

神奈川県立精神医療センターの依存症病棟には、アルコールや薬物、ギャンブル等、様々な依存症患者さんが入院しています。依存症なのかはっきりしない段階で、まずはお酒や薬物を体から抜く解毒のために短期入院を希望する方もいれば、思うように依存行動がやめられずに思い悩みながら繰り返し入院してこられる方もいます。看護師は、患者さんの多様な背景・治療の段階に配慮し、どの患者さんにも安心して治療をうけられるような看護を心がけています。

急性期は、「離脱症状が辛い」と入院後まもなく退院の意向を示される方もいますが、心情を受け止め、また、必要に応じて頓服薬を使用し不安を和らげ安全に離脱期を終えられるよう支援します。離脱せん妄が出現したときには、食事や排泄、入浴の介助を行い、必要であれば夜中でも点滴を継続します。離脱期を過ぎた患者さんから「あの時は背中をさすってくれてありがとう」と言われた看護師もいます。

回復期は、散歩や外出がある程度自由にできます。開放病棟という自由な環境に患者さんも驚かれることがありますが、それは、患者さんが主体的に行動を選び、体験から学べる環境を大切にしているからです。例えば、様々な治療プログラムをご用意していますが、それは強制ではなく、個人の目標に応じて選択できます。看護師は、患者さんがどうなりたいのか、希望を共有し、入院の個人目標を一緒に考える多職種面談を行い、患者さんの意思決定を支援します。

また、患者さんの背景に逆境的な体験がある場合、心の痛みに対して依存物質等で自己治療をするといわれています。そのため、入院しそれらを手放すことで、この時期に様々な症状(不安、衝動性、自傷、解離等)が出て困ったり、患者さん同士の関係性でも辛くなる場合があります。その時、一番近くで対応するのが24時間病棟にいる看護師です。SOSを出すことが苦手で、助けてと言わない方も多く、再飲酒等の出来事が起きて初めて、辛さや本音を話される方もいます。そのような時、一人で抱えず話して下さり良かったと思うのです。看護師は、何でも相談して頂きたいと思っています。愚痴も大歓迎です。それが、回復に必要だとされる人を頼る練習になり、退院後の生活でも誰かに相談し、自分の応援団を作っていく力になると思います。

「話せて良かった」と思える体験を積み重ね、退院後も人とつながり、応援団を広げていかれることを願っています。

 

 

 

神奈川県立精神医療センター

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