アルコールと不眠②
掲載日:2023年01月23日
投稿者:朝倉 崇文
寝酒以外の不眠の対策を
不眠に対して、寝酒は厳禁です。不眠に対する対処法として、代表的なものを以下に示します。
- カフェインが含まれる物の摂取を控える
遅い時間のカフェイン摂取は不眠を悪化させます。15時以降のカフェイン摂取は控えましょう。カフェインが多く含まれる物としては、コーヒー、緑茶、エナジードリンク、多くの炭酸飲料、一部の頭痛薬、ダークチョコレートなどがあります。炭酸飲料や頭痛薬にはカフェインが含まれているもと含まれていないものがあるので、成分表を確認するようにしましょう。
- 眠る直前の強い光を避ける
眠る直前のスマホゲームやテレビなどを避けましょう。コンビニエンスストアの電灯の光は非常に強いので、深夜には寄らないことをお勧めします。
- 昼寝は早めに短めに
個人差はありますが、昼寝を遅い時間に長く取ると、睡眠に悪影響がでます。
- 概日リズム(体内時計)を整える
朝起きたら、太陽の光を浴びる、体を動かす、起きる時間を一定にする、食事の時間をあまりずらさないなどの工夫により概日リズムが整うといわれています。
- 眠る前にリラックスする
リラックスした状態だと睡眠に入りやすくなります。リラックスするための方法には、ストレッチ、瞑想、自律訓練法、筋弛緩法など様々あります。どれもネットや書籍でやり方を学べますので、ご興味のある方は是非とも調べてください。なお、お風呂はリラクゼーションとして効果がありますが、体温が上がりすぎると目が冴えてしまいますし、体温は一度上がってから下がると眠くなるので、直前に熱いお風呂に入るのはお勧めしません。入眠2時間前を目処に38-41℃のお湯に浸かるのがお勧めです。
また、「眠ろう、眠ろう」とすると、リラックスはできずに緊張してしまいますので、睡眠時間にこだわり過ぎず、眠れないときは眠くなるまで、布団をでて、できるだけ退屈なことをするのが良いとされています。退屈がリラックスをさせますので。もし、なかなか寝付けずに、遅く眠りについた際には、遅くまで眠らずに、いつも通りの時間に起きるというのも大切です。寝不足は不眠症の最良の薬になります。逆に眠れないからといって、早寝遅起きをしてしまうと不眠は悪化していきます。不眠のときは、遅寝早起きを目指しましょう。この方法は睡眠調整法(睡眠制限法)という不眠症治療に効果がある認知行動療法に用いられる方法ですので、ご興味のある方は調べてみてください。
- 医療機関での治療
薬による治療も人によっては大切です。しかし、ここで気をつけなくてはいけないのは、アルコールほどではありませんが、睡眠薬にも依存性・耐性がありますし、相性によっては有害作用もあります。ですので、使用する際には、通院し、専門家に使用状況を確認してもらい、使用期間や使用量を最低限にすることも必要です。
また、不眠の背景にうつ病や躁うつ病などの精神疾患が隠れている場合には、その背景にある精神疾患の治療が必要となりますので、是非とも医療機関にご相談ください。