依存症コラム 依存症について知ろう「回復の広場」

薬物

戻り続けよう、効果があるから!

掲載日:2022年01月04日
投稿者:川崎ダルク

先日9月24日にダルク35周年フォーラムが開催されました。
コロナ禍の状況でここ2年弱、ダルクの活動や自助グループでのメンバー同士の再会ができない様子が続いていました。
緊急事態宣言が明ける前のイベントでしたので、事前の周知もあまり行わずに、オンラインでの参加の用意をし、コロナ禍の状況でのイベントを体験することになりました。
会場内ではダルクの職員同士や支援者の方が、再会を喜び、お互いの存在を確認し、ダルクフォーラムの不思議な回復の雰囲気に包まれていました。
ダルクが設立したのは正確には36年前ですが、その当時からの振り返りや、さまざまな言葉の数々は、今まで私たちが知らなかった歴史の一面として語られていました。
(オンライン参加におかれましては、一部音声の乱れがあったことをこの場を借りてお詫び申し上げます。)

“依存症本人が本人同士を支援する価値は他に類を見ない“と自助グループの書籍にも書かれていますが、この回復の経験は日本の中でもつながれ続けています。
依存症本人と共同生活をし、グループミーティングを行ない、そして自助グループに定期的に通っていく。
それがダルク設立当初のプログラムであったと聞いています。
1日に3回のミーティングの中で、自分の言葉が語られて、仲間の話に耳を傾けることを繰り返しています。
現在はダルク毎にさまざまなプログラムの提供が行われていますが、ダルクとして自助グループの資質を取り入れていない施設はないように思えます。

グループミーティングを経験していくと、ミーティングの中で仲間の話を聞くことが、いつもの会話とは違う感覚になります。
自分の記憶を思い出したり、仲間の言葉に共感したり、私自身もダルクに入所した当初は周囲の人と比べて、自分はそんなに悪くなっていないと思い込み、人との関係や自分自身との向き合い方で多く失敗を繰り返しました。
あるミーティング場で話をしていた仲間の声にとても共感をしたのを今でも覚えています。
その人とは年齢も、使っていた薬物も違うのに、ミーティングの言葉を聞いて“自分と同じじゃん”と思わせてもらえました。
その事を当時私が通っていた精神科医に話をしたところ、とても喜んでくれたのを覚えています。
“すごく良い経験をしたんですね”と言ってくれました。

ダルクや自助グループのメンバーたちと私は、全てが一緒ではありませんし逆も同じです。
自分の今持っているものや関係はあまり必要ではないのだとも感じられるようになりました。
そう感じさせてもらえたのは同じ目的(薬物を辞めたいと願う気持ち)を持つ仲間同士が、ミーティングや自助グループを通して分かち合う中で、他者と同じ部分を自分は持っているのだと認識させてもらえたことです。
そして、そのことで違いがあることも受け入れられるように少しずつ変化していったように思えます。
時間はかかりましたが、今も定期的にミーティングや自助グループの仲間との時間を過ごさせてもらえていることに、とてもありがたく思います。
そして自分の回復が始まった時のことを覚えている人が、今でもいてくれることは私にとってとても大きなギフトです。

キープカミングバック、イットワークス!!(戻り続けよう、効果があるから)
そして今も苦しんでいる人の居場所はいつでもオープンに開かれています。
自分も苦しんでいる人であるからこそ、回復のメッセージを運び続けている、そう思います。

川崎ダルク

川崎ダルク

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