ギャンブル等依存症やゲーム障害などの行動について4/4
掲載日:2020年07月09日
投稿者:横浜市こころの健康相談センター
今回は当事者への関わり方の工夫、地域の社会資源についてお話しします。
当事者への関わり方の工夫
ギャンブル等依存症の進行過程で借金が発覚した場合、家族は「早く返済しなくては」などといった気持ちから、借金を肩代わりして問題を解決しようとします。しかし、しばらくすると本人がまたギャンブル等→借金を繰り返す悪循環に陥るケースが多いです。借金の肩代わりは、回復の機会を奪いかねませんので、家族は借金の肩代わりをしない方がよいでしょう。
ゲーム障害の子どもでは、生活習慣の乱れ、不登校や成績低下などの深刻な問題が生じてしまい、家族も心の余裕を持てないケースが多いようです。まず、家族が心の健康を保つこと、不安な気持ちや悩みなどを誰かに話すだけでも、気持ちが楽になることがあります。
地域の社会資源
依存症の回復には、当事者同士の支えが有効です。ギャンブル障害には、各地でGAという自助グループが活動していますので、一度参加されてはどうでしょうか。また、医学的な問題だけでなく、借金や住居、就労などの生活支援も必要な場合があります。それぞれのケースに応じて、行政などの福祉、弁護士や司法書士などの司法機関、ハローワークなどの就労支援機関と連携をとるとよいでしょう。
まとめ
ギャンブル等依存症やゲーム障害の基本的な情報について紹介しました。行動依存は本人も問題に気づきにくく、家族も相談をためらうことが多いようです。対応方法や今後の方針など、困ったときには、まずは横浜市こころの健康相談センター、お住まいの区福祉保健センターの高齢・障害支援課や医療機関に気軽に相談してみましょう。
(独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター 精神科医長/精神保健指定医 松﨑 尊信)
以上で全4回シリーズ「ギャンブル等依存症やゲーム障害などの行動依存について」は終わりです。ご本人・ご家族の回復や、これまで依存症を知らなかった方々のお役に立てれば光栄です。松﨑先生、貴重なコラム記事をありがとうございました。
(横浜市こころの健康相談センター)